うさぎの血尿は尿路結石のサイン?子宮疾患との違いやCT検査・治療を解説
うさぎのトイレを掃除した際に、赤い尿を見つけて驚いた経験はありませんか。うさぎの尿は食事に含まれる色素などの影響により、正常でも赤色やオレンジ色に見える場合があります。
一方で、本当に血液が混じっている場合は、尿路結石や膀胱炎などの泌尿器疾患だけでなく、子宮の腫瘍をはじめとする子宮疾患が隠れている可能性も否定できません。
見た目だけで原因を判断するのは難しいため、赤い尿や排尿時の異変がみられたら、早めに動物病院へ相談しましょう。今回は、うさぎの尿路結石で表れる症状や子宮疾患との違い、CT検査、治療について解説します。

■目次
1.うさぎの尿路結石でみられる症状
2.秋から冬は飲水量の変化に注意
3.血尿は子宮疾患のサインの場合も
4.尿路結石や子宮疾患を調べる検査
5.尿路結石の治療と術後ケア
6.まとめ
うさぎの尿路結石でみられる症状
尿路結石とは、尿に含まれる成分が結晶化し、腎臓や尿管、膀胱、尿道などに結石ができる病気です。結石の位置や大きさによって、表れる症状は異なります。
飼い主様が気づきやすい変化には、次のようなものがあります。
・尿に血が混じる
・トイレへ行く回数が増える
・何度も排尿姿勢を取る
・尿が少量しか出ない
・排尿時に背中を丸めたり歯ぎしりをしたりする
・トイレ以外の場所で排尿する
・お尻や後ろ足が尿で汚れる
・食欲や元気が低下する
結石が尿の通り道を塞ぐと、尿が出にくくなる場合があります。何度も排尿姿勢を取っているのに尿が出ない、食事を取らず動かないといった様子がみられる場合は、速やかな受診が必要です。
秋から冬は飲水量の変化に注意
うさぎは、食事から取り込んだカルシウムの一部を尿中へ排出するという特徴があります。そのため、尿にはカルシウムが多く含まれる傾向があり、カルシウムを含む沈殿物が膀胱内にたまったり、結石が形成されたりする場合があります。
秋から冬にかけては、気温や室内環境の変化に伴い、飲水量が変わるうさぎもいます。水分の摂取量が少ない状態では尿量が減り、尿中の成分が濃くなるため、尿路結石に関わる要因のひとつとなる可能性があります。
ただし、尿路結石には飲水量だけでなく、食事内容や運動量、排尿習慣、肥満、泌尿器疾患など、複数の要因が関係すると考えられています。
そのため、水分を十分に取れる環境を整えるとともに、食事の内容や運動量、尿の色・量・回数などを日頃から確認しましょう。
なお、カルシウムは体に必要な栄養素であり、自己判断による極端な制限は健康に影響する可能性があります。食事を見直す際は、獣医師へご相談ください。
血尿は子宮疾患のサインの場合も
うさぎの尿が赤く見えると、膀胱や尿道から出血していると思う飼い主様も多いでしょう。しかし、避妊手術を受けていないメスの場合は、子宮の病気によって出血している可能性もあります。子宮の腫瘍や子宮内膜の異常などが、その一例です。
子宮からの出血が排尿時に一緒に出ると、血液が尿に混じっているように見えます。また、子宮の病気は外見から気づきにくく、赤い尿や陰部からの出血が最初に気づく変化となる場合もあります。
ただし、うさぎの尿は食事に含まれる色素などの影響で、病気ではなくても赤色やオレンジ色になることがあります。そのため、尿路からの出血なのか、子宮からの出血なのか、食事による色の変化なのかを、見た目だけで判断するのは困難です。
特に、避妊手術を受けていないメスに赤い尿がみられた場合は、元気や食欲があっても自己判断で様子を見続けず、動物病院へご相談ください。
尿路結石や子宮疾患を調べる検査
血尿や排尿異常がある場合は、症状や飼育環境を確認したうえで、身体検査、尿検査、血液検査、レントゲン検査、超音波検査などを組み合わせます。
レントゲン検査は、うさぎに多いカルシウムを含む結石の確認に役立つ検査です。ただし、小さな結石やほかの臓器と重なる位置にある結石は、画像だけでは詳細を判断しにくい場合があります。
CT検査では体内を断面画像として確認できるため、結石の位置や大きさ、数、尿路との関係を立体的に把握する際に役立ちます。さらに、腹腔内や子宮を含む周辺臓器の状態を調べ、治療方針を検討するための情報も得られます。
なお、すべてのうさぎにCT検査が必要になるわけではありません。撮影時には体を動かさないよう鎮静や麻酔が必要となる場合があるため、体調や検査の必要性を考慮して判断します。
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尿路結石の治療と術後ケア
治療方法は、結石がある場所や大きさ、排尿状態、全身状態によって異なります。
細かな沈殿物がみられる場合は、排尿状態や尿路閉塞の有無、全身状態などを確認したうえで、水分補給や痛みへの対応、食事や飼育環境の見直しなどを行います。
一方、自力で排出しにくい結石や尿路を塞ぐおそれがある結石では、外科手術による摘出を検討します。例えば膀胱内の結石では、膀胱を切開して取り除く方法が選択肢となります。
うさぎは体が小さく、食欲低下から消化管の動きが悪くなりやすいため、手術前後には犬や猫とは異なる管理が求められます。麻酔前の全身状態を確認し、手術中は呼吸や体温などを継続して管理します。
術後は痛みへの対応に加え、食欲、排便、排尿、傷口の状態を観察し、必要に応じて食事の補助や点滴を行います。
治療後も結石が再び形成される可能性があるため、飲水環境や食事内容を見直し、定期的に尿や画像検査で状態を確認することが大切です。
まとめ
うさぎの赤い尿には、食事による一時的な変色だけでなく、尿路結石や膀胱炎、子宮疾患などが関係している場合があります。
尿の色だけでは原因を見分けられないため、排尿回数の増加、痛そうな様子、食欲の低下などがみられたら、自己判断で様子を見続けないようにしましょう。
当院では、うさぎを含むエキゾチックアニマルの診療に対応しています。レントゲン検査や超音波検査に加え、必要に応じてCT検査を行い、尿路結石や子宮疾患などの可能性を含めて、血尿や排尿異常の原因を調べます。
検査結果やうさぎの状態を飼い主様へ丁寧に説明し、外科手術が必要な場合は、術前の評価から術後ケアまで一貫して対応します。赤い尿や排尿時の変化に気づいた際は、お早めにご相談ください。
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