CT検査、本格始動!

CT検査が始まりました!

こんにちは、浅草どうぶつ医療センターの獣医師 川上です。

当院は新病院に移転してからCT検査機器を搭載し、5月の稼働開始から徐々に検査件数が増えてまいりました。

わんちゃん・猫ちゃんだけでなく、チンチラやうさぎなどのエキゾチックアニマルでも対応しており 検査の幅が大きく広がってきています。

CT検査においては特に腫瘍や歯・胸部の病変の描出にすぐれており、エキゾチックアニマルの分野ではうさぎさんやげっ歯類の不整咬合・歯根膿瘍などの歯科系疾患、骨折の経過、胸部疾患の病巣の描出などの応用に期待できます。

もちろんわんちゃんや猫ちゃんの様々な疾患、特に腫瘍性病変の描出や悪性腫瘍の転移の検査においても大いに役立ちます。

今回は当院で行ったCT検査についてご報告させていただこうと思います。

 

高齢猫ちゃんのCTポジショナーを使用した無麻酔CT

口腔内腫瘍の摘出後の経過観察と腫瘍の転移がないか、確認のためにCT撮影を行いました。

特に口腔内(歯肉)にできる腫瘍に関しては、転移しやすい特徴を持っている場合が多いため 手術で摘出すれば万事解決!というわけではないのです。

定期的な身体検査やレントゲン検査に加えて、CT検査でより詳細に描出される転移病巣をいち早く確認することが重要です。

今回検査を行った猫ちゃんは高齢ということもありCT検査に必要な鎮静・麻酔をかける危険性が危惧され また猫ちゃんご本人がとても大人しかったので

今回は『谷浦式CTポジショナー』(https://www.ahmics.com/service/ct-positioner/index.html)を使用してCT撮影に挑みました!

このCTポジショナー、無麻酔でわんちゃんやねこちゃんをのCT撮影および画像診断を行う際にとっても重要な 覚醒した状態での正しい姿勢の保持 を可能にしてくれる優れものです。

写真のように、青いスポンジとマジックテープで猫ちゃんの体を固定しそのまま撮影しました。

身体に合わせてスポンジの密着度を調節できるので、固定具がきつすぎて苦しい・緩すぎて暴れてしまうといったCT撮影上でのトラブルを最小限に防ぐことができます。

撮影自体は10分ほどで終わったため、猫ちゃんへのストレスも少なく撮影できました。

鎮静下でのうさぎさんの腹腔内腫瘤のCT撮影

昨年偶発的に見つかったお腹の中の腫瘤が大きくなってきているので、腫瘤の大きさ・どの臓器由来の腫瘍なのか・腹腔内のどの範囲まで腫瘤が大きくなっているか・手術を検討する際に大出血する可能性があるか...などをしらべるためにCT検査を行いました。

うさぎさんは特に繊細な動物なので、CT検査機器の音や振動に驚いて飛び跳ねると怪我にもつながってしまいます。

そのため、鎮静あるいは軽い麻酔をかけての検査になります(うさぎさんのコンディションによっては無麻酔での撮影も行います)。

今回は鎮静をかけた上で、撮影時は酸素ボックスに入ったままCT撮影を行いました。

↑鎮静をかけたうさぎさんを酸素ボックスの中に寝かせ、酸素を嗅がせながら撮影しました。  

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                           

↑お腹の中の大半を大きな腫瘤(赤い線で囲った部分)が占めています!!

腫瘤の大きさや周囲の臓器との位置関係が把握できると、更なる検査(細胞診や病理組織検査)をより安全に行うことができるかの判断材料にもなります。

チンチラちゃんの全身チェック

レントゲンやエコーでは描出されにくい小さな病変が無いか確認するために全身のスクリーニング検査を行いました。

チンチラのようなエキゾチックアニマルはレントゲンやエコーの際の保定でも大きなストレスとなり、病気の確定診断に繋がるための検査が身体の負担になることがあります。

CTは、場合によっては鎮静や麻酔を必要としますが 短時間の撮影でより詳しい画像を描出できるためエキゾチックアニマルにとっても有用な検査ツールと言えます。

↑鎮静をかけたチンチラちゃんを酸素ボックス内に寝かせて撮影します

↑酸素ボックス内にはタオルを敷き詰め、鎮静中の脱力した状態でも姿勢を保てるようにしています。

わんちゃんの腫瘍転移チェック

前述の通りお口の中にできた腫瘤が悪性の場合、転移する(している)可能性が非常に高いためCT検査における転移の有無の確認は重要とされています。

今回のわんちゃんはお口の中に腫瘤が見つかったため切除することになり、手術と同時にCT撮影を行い肺や肝臓などに転移が無いか確認しました。

腫瘤の転移に関しては 【造影検査】 が重要となってきます。

これは、特殊な薬品を注射してからCT撮影を行うと血管の多い組織が白く浮かび上がって撮影される仕組みをつかって、腫瘍の転移の存在を調べる手法です。

↑左上(造影剤注射前)、右上(造影剤注射直後)、左下(造影剤注射から約1分後)、右下(造影剤注射から約3分後)の画像。

造影剤を使うと、微小な腫瘍病巣も詳細に描出できることがあるため早期発見・早期治療にいち早くアプローチできます。

さいごに...

以上、当院で行ったCT検査の報告でした。当院での稼働はまだまだ始まったばかりですが、獣医師として感じるのは、今までレントゲンやエコー検査では見えなかったものが見えてきたことで提案できる治療や方針の幅が広がりました。

今後、レントゲンやエコー以上に最も動物に負担の少ない検査のひとつとして利用し、飼い主様に多くの選択肢をご提案できるようにできればと思います。

もし…

『うちの子、特に病気してないんだけどCT検査って意味あるのかしら..?』

『麻酔や鎮静をかけないでCT撮影できますか?』

『検査費用はいくら?』

『わんちゃん猫ちゃん以外でも検査できますか?』

など、CT検査に関しまして知りたいことがありましたらお気軽にお問い合わせください。

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