歯を抜かずに守る選択肢も|動物歯科の専門性と浅草どうぶつ医療センターの取り組み

犬や猫の歯科治療と聞いて、「歯石を取って、悪い歯は抜くもの」と思われる飼い主様は多いのではないでしょうか?たしかに、これまではスケーリング(歯石除去)や抜歯が中心とされ、「歯科治療=抜歯」というイメージを持たれている飼い主様も少なくありません。

しかし、動物医療の分野でも歯科は年々進歩しており、現在は歯だけでなく、歯の根や神経、顎の骨の状態まで含めた精密な診断が求められるようになっています。また、犬や猫にとって負担の少ない、より適切な治療を選ぶには、こうした専門的な診断力と技術力が欠かせません。

そのため、歯科診療は「どこの動物病院でも同じ」とは言えず、設備や経験、知識の差によって、提案できる治療の幅が大きく異なります。

そこで今回は、犬や猫の歯科治療に専門性が必要な理由や、歯を残すための治療選択肢、当院の治療方法などをご紹介します。

■目次
1.なぜ犬や猫の歯科治療に“専門性”が必要なの?
2.“抜く”だけじゃない、歯を残すための治療選択肢
3.歯だけでなく“骨”や“体全体”を守る治療へ|再生医療の可能性
4.安全な治療のために|麻酔と手術へのこだわり
5.歯科治療を支えるチーム体制とアドバイザーの存在
6.まとめ

なぜ犬や猫の歯科治療に“専門性”が必要なの?

犬や猫の歯はとても小さく、表面だけを見てもその内部の状態までは判断できません。一見すると問題がなさそうに見える歯であっても、実は歯の根の先で膿がたまっていたり、歯を支える骨が溶けていたりする場合があります。こうした見えにくいトラブルは、肉眼だけでは見逃してしまうことも少なくありません。

そのため、当院では歯科用のレントゲンやCTといった画像検査を用いて、歯の内部や周囲の骨・組織を正確に評価することを重視しています。これにより、「本当に抜歯が必要かどうか」や「歯を残すことができるか」といった重要な判断が可能になります。

もし、十分な診断を行わずに治療に進んでしまうと、本来であれば温存できたはずの歯を抜いてしまったり、逆に深刻なトラブルを見逃したりする恐れがあります。こうしたリスクを避けるためにも、犬や猫の歯科治療には、専門的な知識と診断力に基づいた対応が欠かせません。

“抜く”だけじゃない、歯を残すための治療選択肢

一般的には、歯科治療といえばスケーリングや抜歯が中心となることが多く、これらの処置自体が間違っているわけではありません。重度の歯周病や感染がある場合には、抜歯が最も安全で確実な治療方法になることもあります。

一方で、専門的な診断と治療が可能な動物病院では、歯を抜かずに残すことを目的とした「根管治療(歯の神経の治療)」を選択できる場合もあります。根管治療は、歯の内部にある神経の病変を取り除き、適切な処置を施すことで、歯そのものの保存を目指す高度な治療です。

「できれば歯を抜きたくない」と思われる飼い主様の気持ちは、とても自然なものです。専門的な診断と治療によって、噛む機能をできるだけ維持し、その子の生活の質を守るための治療計画を立てることが可能になります。

ただし、すべての症例で歯を残せるとは限りません。抜歯が最善となるケースもあるため、「抜くか残すか」はその子の状態を十分に見極めた上で慎重に判断していく必要があります。

なお、当院では症例を適切に見極めたうえで、根管治療にも対応しています。

歯だけでなく“骨”や“体全体”を守る治療へ|再生医療の可能性

犬や猫の歯科治療においては、歯そのものだけでなく、歯を支える骨や体全体の健康状態まで考慮することが求められます。特に歯周病が進行すると、顎の骨(歯槽骨)が溶けてしまうことがあり、歯を治療するだけでは問題が解決しないケースも存在します。

さらに、口腔内の細菌が血流に乗って全身へ影響を与えることがあり、心臓や腎臓などの臓器に悪影響を及ぼす可能性があることも知られています。つまり、歯科治療は口の中だけの問題にとどまらず、全身の健康を守るためにも非常に重要な役割を担っているのです。

当院では、こうした骨の損傷が見られる症例に対し「歯槽骨再生治療」という再生医療のアプローチを取り入れています。これは、失われた骨の再生を促すことで、歯を支える構造の回復を目指す治療方法です。

歯を抜かずに守る可能性を広げるだけでなく、「食べる」「噛む」といった日常の動作を支えることで、その子の生活の質(QOL)を維持することにもつながります。

安全な治療のために|麻酔と手術へのこだわり

犬や猫の歯科治療では、全身麻酔が必要になるため、安全性の確保は非常に重要です。当院では、事前に徹底した検査を行い、個々の体調や年齢に合わせた麻酔計画を立てることで、麻酔リスクを最小限に抑える努力を行っています。

また、手術に使用する機器にもこだわりがあります。当院では、糸を使わずに止血や切開ができる手術機器「Sonosurg(ソノサージ)」を導入しています。これにより、体内に縫合糸を残さないため、「縫合糸反応性肉芽腫」といった術後のトラブルを予防することができます。

こうした取り組みの一つひとつが、飼い主様にとって安心して治療を任せられる環境づくりにつながっています。

当院のソノサージの仕組みやメリット、適応症例についてより詳しく知りたい方はこちら

歯科治療を支えるチーム体制とアドバイザーの存在

当院では、歯科診療においてもチーム医療を重視し、獣医師同士が連携しながら診療にあたっています。さらに、人の歯科医療に精通した歯科医師の専門的な知見を取り入れ、診療の質の向上に努めています。

実際に治療を行うわけではありませんが、「歯」に関する深い知識と技術をもとに、診療方針や治療計画の検討に対して的確な助言を行っており、これは当院ならではの強みの一つです。

専門的な知見を取り入れながらも、飼い主様が気軽に相談できる、親しみやすい動物病院であることを大切にし、身近な存在として安心して通っていただけるような環境づくりに取り組んでいます。

まとめ

犬や猫の歯科治療は、専門的な診断や高度な技術によって「抜歯だけではない」治療の選択肢が広がる分野です。歯だけでなく、顎の骨や全身の健康状態まで見据えた診療によって、より質の高い生活を守ることが可能になります。

当院では、飼い主様と犬や猫の気持ちに寄り添いながら、安全性と専門性の両立を追求した歯科治療を提供しています。

「歯を抜かずに治したい」「歯の状態をきちんと診てほしい」など、不安や疑問がありましたら、どうぞお気軽に当院までご相談ください。飼い主様と大切な家族である愛犬や愛猫が、安心して暮らせるように、私たちがしっかりとサポートいたします。

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